BIMの”I”の部分の話です✨キラーン
表題に聞き慣れない名前が3つも登場してオエッですが夢のあるお話なのでぜひ💗
Revitには、要素に(北米版の)積算資料の項目をあてて、モデル完成と同時に積算も終わらせちゃう仕組みがあります。
仕組みはファンタジーではありませんが、残念ながら日本ではまだ分類体系が整っていないので使えません。近い将来きっと日本型BIM対応の分類体系が使える様になる(と思うので)予習です。
※内容は独学なので勘違いがあるかもしれないです。おかしな時はご一報ください
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北米版の赤本と黒本のお話です |
🌝実際北米でこのシステムがバシッと使われているのかどうかは不明です。
海外のブログを見ると・・・(゚Д゚;)
はじまりはじまり
4つのキーワード!!
- ユニフォーマット
- マスターフォーマット
- オムニクラス
- アセンブリコード
それぞれ建築に関連した分類体系(項目を階層構造に並べる事)の名前で、互いに補完的な関係になっています。
ざっくり解説
ユニフォーマット、マスターフォーマットはBIMが登場するずっと前から北米で使われている積算用の分類体系で、オムニクラスは従来の分類体系では仕分けできなかった領域をカバーしたBIM用の新しい分類体系です。アセンブリコードはユニフォーマットに基づいているものです。
階層構造とコード番号
階層構造は階層が深くなる程より詳細な分類となります。
全ての分類項目にはコード番号が割り当てられていて、上の階層のコード番号を受け継ぎながら階層が深くなるごとに番号の桁を増やしていきます。
例)ドアの場合
ドアに”C10”というコードが当てられていたら内装工事だと分かります。
ドアに”C1020120”というコードが当てられていたら、内装工事で行うインテリアの木製ドアだと分かります。
Revitとコラボ
ユニフォーマット、マスターフォーマット、オムニクラスを某積算資料だとした場合どのようにしてRevitで使うのか考えてみてください・・
多分、要素のプロパティに積算資料というパラメーターがあってそこに要素に合わせた値を積算資料の中からピックアップして入力する。そうイメージしたのではないでしょうか?
そうイメージしたのであれば、ほぼ正解です。
ユニフォーマットやマスターフォーマット、オムニクラスとRevitのコラボは大体そのようにして行われます。じゃ、分かり易いじゃん。と思われるかもしれませんが、情報を取り出すパラメータの名前が分類体系のシステム名と違っていて、このシステムをちょっと分かり辛くしています。
また、ユニフォーマット、マスターフォーマットはプロジェクトの各要素のプロパティにありますが、オムニクラスはファミリエディタのプロパティにあるのでシステムファミリでは設定できません。
システムファミリで何故使えないのか?意図するところは何なのか?
ちょっぴり調べたけど分かりませんでした。
ところで何で3種類あるの?
積算に利用する目的で作られた分類体系ですが、それぞれ切り口が違っています。
何れかひとつで完結するというよりは組み合わせて欲しい情報の形にするものではないかと思います。
パラメータの場所
★プロジェクトで入力
ユニフォーマット×アセンブリコード 各要素の「アセンブリコード」パラメーターの値の欄をクリックすると「アセンブリコードを選択」ダイアログが開きます。
※アセンブリコードはRevitのパラメータ名でデフォルトではUniformatを参照しています。そのためダイアログには”Uniformatの分類”の文字が入っています。
階層を移動して値を選択すると、アセンブリコードの欄にコード番号が表示されます。そしてアセンブリの欄に部材の名前が入ります。
マスターフォーマット× キーノート
各要素の「キーノート」パラメーターの値の欄をクリックすると、キーノートダイアログが開いてマスターフォーマットの値を選択できます。
【重要】キーノートは、マスターフォーマットを呼び出す専用のパラメーターではありません。別のテキストデータと繋がっている事があります(゚Д゚;)
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Revit2020 ヘルプより
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★ファミリエディタで入力
オムニクラス×オムニクラス番号
■オムニクラスはファミリエディタのプロパティで設定するため、プロジェクトでは設定できません。なんで???
オムニクラスは階層構造で表示されますが、作成中のカテゴリに合わせた内容が表示されます。プルダウンメニューで他のカテゴリに変更もできます。
選択できるカテゴリの中にはシステムファミリのカテゴリも含まれています。なんで?
ファイル形式
Revit外部にある ユニフォーマット、マスターフォーマット、オムニクラスはテキストファイル形式になっています。
ファイルをつなぐ
■ユニフォーマット/アセンブリコード
管理タブ>その他の設定▼>アセンブリコード
■マスターフォーマット/キーノート
注釈タブ>キーノート▼>キーノート作成設定
■オムニクラス
自動的につながる??
ファイルの場所
Revitをインストール時に一緒に挿入されますが、保存先のフォルダは別になっています。
どうしてわざわざ違うフォルダ?なんでよ??
■マスターフォーマット
C>ProgramFiles>Autodesk>Rvt20**>Samples>RevitKeynotes_Metric.txt
■ユニフォーマット
C>ProgramDate>Autodesk>Rvt20**>Libraries>Japan>UniformatClassifications.txt
■オムニクラス
C>ユーザー>ユーザー名>AppData>Roaming>Autodesk>Revit>AutodeskRevit20**>OmniClassTaxonomy.txt
ここまでのおさらい
要素のパラメーターに積算関連の分類データの入ったテキストファイルと繋げて、値を選択形式で挿入できる設定が3つある。
でも分類データが北米仕様onlyなのよ 涙
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ふぅ |
満を持して各分類システムの説明
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マスターフォーマット(施工段階寄り)
コンクリート、鉄骨、内装、防水などの工種別に分類しています。マスターフォーマットをマテリアル(材料)別の分類と解説しているHPもありましたが確かにそうかもですね。
(北米では)工事仕様書や工事別見積り書に利用されています。
マスターフォーマットは複数の建築部位にまたがって使用される可能性のあるより細かい製品や建築部材の分類に関係しています
作業結果を表す内容になっています。
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ユニフォーマット(設計段階寄り)
内装、外壁、屋根、階段など建物を部位別(部分別)に分類しています。
建物を構成する構造や機能に着目していて、配置した要素がどの部分に設置されている部位なのかといった情報を与えるものです。
材質などに関係なく機能(建築物の中の役割)で分類しています。
ユニフォーマットはマスターフォーマットよりも複合的な内容になっていて、分ける事ができない複数の処理をひとつにまとめています。
➡アセンブリコードはユニフォーマットに基づいた分類で建築部材(アセンブリ)に関係しています。
マスターフォーマットとユニフォーマット
米国では、一般的に仕様と見積もりの両方でマスターフォーマットをより使用しますが、プロジェクト間の価格を比較する時などのマスターフォーマットではやり辛い場合に、ユニフォーマットで見積りをします。
また、ユニフォーマットは個々のコンポーネントがまだ選択されていない設計の早い段階で建物をざっくりと仕分ける時に設計者によって使用されたりします。
↑というコメントも見かけました
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オムニクラス
プロジェクトのライフサイクル全体を通して活用できるような、建物に関わる情報を15項目に分類しています。分類した項目ごとにコード番号が割り当てられています。
少しデータベースらしく表現すると、オムニクラスは15の階層テーブル(テーブルが分からない方はgoogle先生に聞いてください)で構成されていて、MasterFormat(表22)やUniFormat(表21)もテーブルの1つとして活用しています。
具体的にどんなテーブルがあるかというと、モデル要素関連、維持管理に関わる情報関連、材料関連、施設運営関連、フェーズ関連、土木関連等、建築物に関わる事柄が一から十まで揃っています。
これらのデータベースは相互に繋がり持っているので、情報をソートしたり、抜き出したり、整理や並べ替え等ができるように作られています。
RevitではOmuniclassの沢山のテーブルの中の「製品-表23」を参照しています。
15の階層だが表番号は1から順に付いている訳ではないので表23もアリエール
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OmuniClassのテーブル一覧 |
何故かシステムファミリと注釈ファミリ、部屋やスペースには、オムニクラスの割り当てがありません。注釈や部屋はなんとなく分かります、でも柱や梁は設定できるのに床に出来ない・・複層構造だからか??なんでよ~ 涙
それから・・
「オムニクラス2」というのもあるらしいのですが、こちらはイギリスで作られたものだそうです。詳細はgoogl先生に聞いてください!
集計表
組み込みパラメータなのでもちろん使えます。ここで欲しい情報を色々集めます。
APIとの絡み
RevitAPIはOmniClassデータにアクセスするための2つの組み込みパラメーターを用意しています。
- OMNICLASS_CODE
- OMNICLASS_DESCRIPTION
モデルに含まれる要素の抽出に使用できるので、使える方は是非!!
書き出し
アセンブリコードは、プロジェクト全体のアセンブリコードデータを含む単一テーブルでODBC書き出しができます。データベースだねぇ〜
LODとの絡み
LODはUniformatで分類した部位ごとに、モデルの詳細度や信頼度を6段階に分けた指標です。米国建築家協会(AIA)が定義しています。
結局どうなの?
コード体系とRevitのコラボの利点は沢山あると思いますが、以下の4点が私が感じたいいところです。
■その1
分類の文言がプリセット(あらかじめ用意)されている中から選択できる事
➡楽ちん
➡担当者による文言の相違がなくなる
■その2
それぞれが積算に関わる内容ですが、ひとつでは設定しきれない事も補完し合う関係にあるので結果的に事足りる(らしい)。
■その3
Revitで使うとファセットをデータベースの見出しとして使えるので、情報をソートしたり、並べ替えたりすることで、見えなかったものが見えてくる(かも)
■その4
今までは繋げられなかった部分を勝手につなげてもらえる(かも)
おまけ
アメリカの積算事情
- 米国では、企画段階では「床面積当たりのコスト」により積算します。
- 基本計画、基本設計段階に入ると部位別概算を行います。
部位別概算は、図面から部位別に概算数量を算出し、単価は部位別コストデータから検索する方式です。この部位別コストデータの元にするのがUNIFORMAT(R.S.Means社(ミーンズ社)が出版)です。
- 実施設計は工種別の工事細目単価データで値入れを行い、工種別区分の標準仕様書を作成します。この時参照するデータが、MasterFormat(建設仕様書協会(CSI)が出版)です。
ちなみに日本では・・・
日本は企画~基本設計までは床面積ベース(㎡当たり)による概算方式が主流で、実施設計でいきなり積算基準による工種別内訳書ベースでの詳細積算となります。
この記事のソースは
ファミリエディタを開くと、いつも堂々とプロパティの真ん中に表示されるOmuniclassが気になって調べてみたのですが孤独な戦いすぎて、内容が正しく書けているのか不安です(が、間違っていたらきっとどなたかが指摘してくれると期待して、公開してしまいました アハハ〜)
沢山のサイトを参照してこのページを書きましたが、勝手な解釈なのでもし興味があれば参照したサイトを幾つかご紹介いたしますのでご覧ください。
http://www.archifuture-web.jp/magazine/176.html
https://www.ribc.or.jp/info/pdf/sprep/sprep103_00.pdf
https://www.csiresources.org/standards/uniformat
https://www.sfc-net.co.jp/wp/wp-content/themes/sfc/pdf/430/cost22.pdf
https://assemblesystems.com/uncategorized/understanding-uniformat-and-masterformat-with-bim/
Revit2020