Autodesk Recapは点群(.las)データを扱う専用ソフトですが、2026バージョンからRevitとの互換性を大幅に向上していました(知らなかった―)👏👏👏
点群データをlasデータで受領したものの、Revitにlasデータは直接挿入できないので、まずはlasデータをobjデータに変換して、それからRevitに読み込んで作業をしました。
※las⇒objは別部署の方が利用してたGLOOBEで行いました
objデータはRevitに読み込めるのですが、ちょっとした移動や拡大縮小などの操作に非常に時間がかかり、しかもPDFやCADへの書き出しも出来ない💦更に頼みの綱のDocsにも表示されない、、、ないないづくしの状況にやっぱり点群はRevitでは使えねーなムードが(部署内に)漂う中、ReCap2026ならどうにかなる(かも)という情報を仕入れ断腸の思いで幾つかのAutodeskのアプリを削除して(;´Д`))Recapをインストールしました。
★全然関係ない愚痴ですが、アプリ入れるために他のアプリ削除しなければならない問題、どうにかならないかな 涙
結果は大成功www
この歓びを誰かと共有したくてコレを書こうと決めました(超大作になってしまった😤)
ReCapはデータの状況によっては変換に時間がかかる事もありますが、操作が分かり易くRevitとの連携もスムーズなのでかなりお勧めのソフトです💪
ここでは点群(las)データをReCapからrcmr(Revitに読み込めるデータ)に書き出してRevitに読み込み、Revitのデータに変換する(←バインドみたいな感じ)方法について説明していきます。。。
まずはRecapでの作業
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2026以降のバージョンをお使いください
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■lasデータ(点群)を取り込む
①新規プロジェクト>点群を読み込み
②プロジェクト名と保存先を入力>続行
③読み込むファイルを選択 をクリックしてファイルを選択
④詳細タブ>点群データを取得した時の座標系が分かっていれば座標系を設定>ファイルを読み込み をクリック
⑤スキャンのインデックスを作成をクリック
⑥インデックス作成のスキャンが100%完了したら>プロジェクトを開始 をクリック
⑦読み込んだ点群データが表示されます
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取り込んだ点群データは諸事情により お見せする事が出来ず、すんまへん🙏
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反転?!
ところで私が読み込んだlasデータは、なんと左右に反転して表示されていました(゚Д゚;)
理由は点群データが数学座標系なのに対しReCapが測量座標系だからだそうで、その場合は座標のⅩとYの値を入れ替え操作が必要になります。
※反転していない場合は「点群をメッシュ化」に進んでください。
反転した日本列島なんか気持ち悪い 爆
反転したデータを正す!
XとYの値を入れ替えは、ReCapにファイルを読み込む時に行います。
ただし、lasファイルではこの機能は使えず、PTSファイルと呼ばれるテキスト形式のファイルでの対応になります。
lasファイルからPTSファイルへの変換は、ReCap上で行います。
まずlasファイルをReCapで開いて、次にPTSファイルとして書き出しを行います(*^^)v
つまり反転して開いてしまったファイルは、一度PTSファイルとして書き出して再度ReCapへ読み込めば正しい位置で点群を表示する事が出来るようになります。
PTSファイルの書き出し
①lasファイルを開く>ホームタブ>書き出し
②ファイルの種類で「PTS」を選択>保存
PTSファイルを読み込む
①書き出したPTSファイルを「新規プロジェクト作成」で読み込みます。
新規プロジェクト>点群を読み込み>プロジェクト名と保存先を指定>続行>読み込むファイルを選択
XとYを入れ替える
①文字オプションタブに切り替え
②X列の見出しをプルダウン>位置>Y を選択
同様にY列の見出しをプルダウンしXと入れ替える

③詳細タブに切り替え
④必要に応じて座標系を入力
⑤ファイルを読み込み をクリックで点群ファイルが正しい向きで表示される。

次の作業に進む前に、、、
個人の感想ですが、Recapは作業中にかなり落ちます!
もう落ちるのが標準なんだっ!て割り切る位で丁度いいです 笑
なので、小まめに保存してください。
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Revitで何度保存を促す表示が出ても 無視する私が自から進んで保存する位落ちます |
また、突然ファイルが落ちるなどした後に、なかなかファイルが開かないような事があります。その場合は自動で保存されるバックアップファイルを是非活用してください。
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バックアップファイルは拡張子を .rcs に書き換えて使用 |
点群をメッシュ化
点群は点の集まりですが、点の集合体のままではRevit上では非常に扱いにくい(重くて触れない)データになるので、ReCapではメッシュ化を行ってRevitに対応したデータを作成します。
【メッシュ】点を結んで三角形のポリゴン(面)を作り、ポリゴンを連ねて全体の形状を表現したものをメッシュと呼んでいます。
■ReCapでの作業は以下の流れになります
①点群をメッシュ化
②メッシュ化した面(サーフェス)をカテゴリごとに分類
③分類したサーフェスをひとまとまりに結合
④rcmr形式で書き出し
ですが、、、
1回に処理する量が多いと、メッシュ化に非常に時間がかかり終日リフレッシュマークがクルクルと回るのを見つめるだけの1日を過ごしたり、出来上がったデータが大きすぎて保存が出来ない等のトラブルが起きたりします(みなさんを代表して先に経験しておきました 涙)
そこで実際にReCapで作業を行う場合は、メッシュ化するデータ量をあらかじめ調整し小さくしておく必要があります(勿論調整せずにメッシュ化を行うもよしです)
調整方法は色々あると思いますが、個人的には点群を幾つかのファイルに分けて作業を行う方法をお勧めします。
※他にもファイル内にビューを作成してビューの中で表示する点群の量を調整する方法などがあります。
データは小分けにする事で、メッシュ化の時間と変換後のデータ量がかなり減らせます。そしてその後の作業もかなりやり易くなるので、ぜひファイルを分けてからメッシュ化を行うようにしてください。
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ファイルを分けても原点は同じ位置なので Revitに読み込んだ時に配置は維持されます
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ここからは、Recapに添付されているサンプルを使って解説します😉
変換するデータを分割・調整
お勧めのファイルの分割方法は、後からカテゴリ分けがし易いように同じ種類の要素ごとにファイルを分ける分け方です。ただし地形のようなカテゴリを細かく分ける必要のないものはエリアで分けるのがいいと思います。
①データを分割する前に、分割するファイルを別名保存
②ここでは壁と天井のみのファイルを作成するので、ファイル名を「天井・壁」とする
③画面下側の選択ツールで点を選択>Deleteキーまたはゴミ箱のアイコンの削除ツールで点の削除を繰り返し行いファイル内の不要な点を全て削除する
★点の選択★
削除する点は、窓、フェンス、平面ツールで選択しますが、油断すると削除する予定ではなかった点まで含めてしまうので範囲ボックスもご活用ください
④不要な点を削除したら、ファイルを保存
⑤プロジェクトを最適化ダイアログで「3D 点群のみを最適化」にチェック>OK
ようやくメッシュ化
①画面左側の四角いアイコン(スキャンからメッシュへ)のローカルを選択
②スキャンからメッシュ ローカル処理ダイアログを設定>送信
- メッシュ名はファイル名と同じでも大丈夫ですが、メッシュの密度や解像度等が最適になる様に何度か試行錯誤すると思いますので、設定の状況が分かる様に名前を付けておくと比較する時に便利です。
- スキャナタイプは点群を撮影した時の種類を選択
- メッシュ密度は色々試してみてください
- 詳細オプションのカスタマイズはメッシュ化の状況をみて判断してください
・解像度の設定はスキャンした時のポイント間隔よりも大きくする

【タイルの変換】
点群データの処理中に行われる「タイルの変換」とは全体を一括で処理するのではなく一定の範囲毎に分割(タイル化)して個別に処理するプロセスの事です by AI Σ(゚Д゚)

③変換が終了したらエディタで開くをクリック
④メッシュエディタでは点ではなく、面で要素が選択が出来るようになります。
⑤ここで、点群から変換された面に不要な穴が開いていないか等、できあがったメッシュの状態をよく見て、メッシュ化の設定が妥当かどうかを判断してください。
(サンプルファイルはさすがAutodeskのサンプルファイルってくらい滑らかに変換出来てるぅ)
問題がある場合は画面右上の「メッシュエディタを閉じる」ボタンで点群の方へ戻り、設定を変えて再度メッシュ化を行ないます。
モデルブラウザのフィルタ
モデルブラウザにはメッシュに変換する時に付けたメッシュの名前が並んでいます。
目のマークをオンオフしてそれぞれのメッシュの状態を確認してください!(^^)!
モデルブラウザ上のメッシュ名の右側に目のマークが表示されない場合は、名前の上で右クリック>ロード により表示が出来るようになります。
レイヤ
ユーザーが作成したレイヤをメッシュにあてていきます。
【重要】いずれかのレイヤに分類されているメッシュのみRevitに挿入した時にRevitの要素として取り込まれます。
レイヤを作成
①レイヤを追加>レイヤ名とレイヤの色を設定
②必要な分のレイヤの数だけ①を繰り返す
(今回は壁と天井)
レイヤをあてる
メッシュに「壁」レイヤをあてる方法を例に解説します(*'ω'*)
①フィルタで壁レイヤの表示をオフ
※オフにする理由は、壁レイヤの表示をオフにして作業を行うと、分類済みのモデルが非表示になり作業が効率よく行えるからです
②画面下側のターゲットレイヤを「壁」に設定>モデルの壁部分を選択>分類をクリック
壁に分類する全てのメッシュに壁をあてるまで操作を繰り返す
③壁の分類が済んだら、フィルタで分類した壁のみを表示
⑥壁に分類したメッシュ全てを選択>結合と分類をクリック
これで壁が細かく分かれていたメッシュがひとまとまりのメッシュになります。
⑦同様に天井もひとまとまりのメッシュにします
書き出し
①メッシュエディタで画面左上の書き出しをプルダウン>書き出すメッシュに応じたコマンドを選択
②保存して続行するをクリック
③Cap Mesh Revit Formatを選択>書き出し
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ReCapでの作業が終わり ひと息ついたらRevitでの作業だよ~💪 |
ここからはRevitでの作業
■Revitでの作業の流れは以下になります
①Recap書き出したメッシュモデル(rcmr)をリンク
②メッシュモデルをリンク状態からRevitのジオメトリとして取り込む
③ファミリに変換
Revitでの操作は、ReCap2026をインストールした時に一緒にインストールされる「ReCap Mesh」タブのツールを使って作業をします。
※メッシュモデルがリンクされていない時は「ReCap Meshメッシュモデルをリンクする」以外のコマンドはグレーアウトしています
メッシュモデルをリンク
①ReCap Meshタブ>ReCapメッシュモデルをリンクする をクリック
②モデルを追加
③書き出したrcmrファイルへアクセス>ファイルを選択>開く
④追加するファイルがある場合は「モデルを追加」を繰り返し、全てのリンクするファイルの選択が終了したらOK
⑤メッシュモデルとメッシュモデルウィンドゥが表示される
【メッシュモデルウィンドゥ】モデルのオンオフが制御できる
Revitのデータに変換
メッシュモデルをリンク状態からRevitのジオメトリとして取り込みます。
①ReCap Meshタブ>ドキュメントに追加
②変換するレイヤと対応するRevitのカテゴリを選択>OK
③元のメッシュモデルに重ねてRevitのジオメトリに変換される
Revitのオブジェクトではありますが、、、
メッシュモデルは指定したカテゴリの要素として変換されますが、機能は制限されます。
例えば壁カテゴリの表示のオンオフには連動しますが、プロジェクトブラウザ上には表示されず、自動で面積や容積を算定する事も出来ない等があげられます。
必要に応じて
必要ならばコンポーネントファミリに変換できます。
ただし、コンポーネントファミリに変換したからといって形状の変更などはできません。
またシステムファミリのカテゴリをあてることは出来ませんのでご注意ください。
コンポーネントファミリに変換
①変換したモデルを選択>ReCap Meshタブ>ファミリに昇格
②カテゴリがシステムファミリの場合は、コンポーネントファミリのテンプレートを設定>OK
③コンポーネントファミリに変換される
メッシュモデルを削除
メッシュモデルが不要な場合はリンクを削除します。
①ReCap Meshタブ>ReCapメッシュモデルをリンクする
②削除するリンクを選択>選択したモデルを削除>OK
③メッシュモデルが削除され、変換したモデルだけが残ります。
いろいろありまして、なかなかRevitlabの更新ができずにいましたが気が付いたら閲覧ユーザー数が百万人を越えていましたwww う、嬉し過ぎます😍
それで慌てて更新!っていう訳ではないですがこれからはもう少しコンスタントに更新していこうと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします
おまけ💖
youtubeの音声トラック
ReCapの操作方法を調べる時にYoutubeの動画を見る事があるのですが、最近Youtubeの音声トラック機能というのが2年間テスト期間を経て本格的に展開される様になりました。これにより複数言語の自動吹き替えが出来るようになり、かなりいい感じに音声での吹き替えが可能になりました。
下記のRecapの動画には音声トラックの設定がしてあったので、是非日本語に切り替えて聞いてみてください。最初に聞いた時は神~と叫んでしまいました!
Autodeskの動画は全てこの設定をして欲しいです!!!